海外に住む家族や友人からプレゼントを受け取る際、関税がかかるかどうかは多くの人にとって気になるポイントです。特に2025年は関税ルールが大きく変わり、これまで免税だった荷物にも課税される可能性が出てきました。本記事では、海外からの贈り物にかかる関税の仕組みと、スマートなプレゼント選びのコツをご紹介します。
2025年の関税ルール変更で何が変わったのか
海外からの贈り物に関する関税制度は、2025年に大きな転換点を迎えました。これまで一定額以下の少額貨物は免税扱いされていましたが、その制度が見直されることになったのです。
日本への贈り物の場合、課税価格が1万円を超えると関税の対象になります。課税価格は海外小売価格に60%を掛けた金額に送料を加えたものとなるため、ざっくりとした目安として海外小売価格が16,000円を超えると課税される可能性が高くなります。
重要なポイントは、家族からの荷物だからといって無条件に免税されるわけではないということです。これまでは家族からの小包は特別扱いされることもありましたが、新ルールではそうした優遇措置が限定的になっています。
一方、アメリカへの贈り物については、さらに厳しい状況になっています。個人間の贈り物であれば100ドル(約15,000円)までは免税扱いとなりますが、それを超える金額の場合は関税が課されます。また、販売目的の商品については金額に関わらず関税の対象となります。
関税がかかりやすい商品の特徴
すべての商品が同じ扱いを受けるわけではありません。特定の品目については、課税価格が低くても関税の対象になる可能性があります。
革製品やニット製衣類、靴などは例外品目として扱われます。これらの商品は課税価格が1万円以下であっても免税対象外となるため、注意が必要です。例えば、海外小売価格が12,000円の革製バッグを受け取った場合、通常なら課税価格は7,200円となって免税対象になるはずですが、革製品という理由で課税されることになります。
複数の商品をまとめて送ってもらう場合も気をつけましょう。食品や雑貨を合計で送ってもらった結果、合計課税価格が1万円を超えれば課税対象になります。送料を含めた総額で判断されるため、一見すると個別には課税対象にならない商品でも、組み合わせによっては関税がかかる可能性があります。
海外からのプレゼント選びで気をつけるポイント
関税の仕組みを理解した上で、スマートにプレゼントを選ぶためのポイントをご紹介します。
価格帯を意識する
日本への贈り物の場合、海外小売価格で16,000円程度を目安に考えると、関税がかかる可能性を低く抑えられます。ただし、送料も課税価格に含まれるため、送料が高い場合はさらに低い価格帯の商品を選ぶ方が安心です。
アメリカへの贈り物の場合は、100ドル以下に抑えることで免税扱いを受けられます。この金額を超えないよう、事前に商品の価格を確認しておくことが大切です。
商品の種類を選ぶ
革製品や靴、ニット製衣類は例外品目として扱われるため、これらを避けることで関税リスクを減らせます。代わりに、食品や雑貨、電子機器など、例外品目に該当しない商品を選ぶことをお勧めします。
複数回に分けて送ってもらう
複数の商品を一度に送ってもらうと、合計課税価格が1万円を超える可能性があります。送料がかさむというデメリットはありますが、複数回に分けて送ってもらうことで、個別の荷物の課税価格を1万円以下に抑えることができます。
海外からのプレゼントにおすすめの商品
関税を考慮しながらも、喜ばれるプレゼントを選ぶことは十分可能です。以下は、Amazon や楽天などで人気のある商品カテゴリーで、海外からの贈り物として適切な選択肢です。
スターバックス プレミアム ギフトセット
コーヒー好きな方へのプレゼントとして人気があります。複数の種類のコーヒー豆やドリップコーヒーがセットになった商品で、海外の有名ブランドからも多くの選択肢があります。食品は例外品目に該当しないため、関税の対象になりにくく、価格帯も比較的抑えやすいのが特徴です。
ハーバリウム
ドライフラワーやプリザーブドフラワーをガラス瓶に詰めた装飾品で、長く楽しめるプレゼントとして人気があります。インテリアとしても活躍し、複数の色やデザインから選べます。ガラス製品は例外品目に該当しないため、関税リスクが低いのが利点です。
アロマテラピー エッセンシャルオイルセット
複数の香りのエッセンシャルオイルがセットになった商品で、リラックスタイムを演出するプレゼントとして喜ばれます。小型で軽量なため、送料も抑えやすく、課税価格を低く保ちやすいのが特徴です。
ティーセット・高級紅茶詰め合わせ
世界各地の高級紅茶やハーブティーをセットにした商品で、紅茶好きな方へのプレゼントに最適です。食品であるため例外品目に該当せず、複数の種類を組み合わせても関税リスクが比較的低いのが利点です。
スキンケア・コスメティクスセット
海外の有名ブランドのスキンケア製品やコスメティクスをセットにした商品で、美容に関心のある方へのプレゼントとして人気があります。ただし、医療的効果をうたった製品は避け、一般的なスキンケア製品を選ぶことが大切です。
キッチン用品・調理器具
シリコン製のキッチンツールやステンレス製の調理器具など、実用的なプレゼントとして喜ばれます。これらは例外品目に該当しないため、関税リスクが低く、価格帯も抑えやすいのが特徴です。
電子機器・ガジェット
スマートフォンアクセサリーやワイヤレスイヤホン、ポータブル充電器など、実用的で人気のある電子機器は、プレゼントとして喜ばれます。ただし、高額な商品は課税価格が高くなるため、比較的低価格の製品を選ぶことをお勧めします。
書籍・雑誌
海外の出版社による書籍や雑誌は、知識や教養を深めるプレゼントとして価値があります。書籍は例外品目に該当しないため、関税リスクが低いのが利点です。複数冊をセットにしても、価格帯を抑えやすいのが特徴です。
キャンドル・ルームフレグランス
香りを楽しむプレゼントとして人気があり、複数の香りをセットにした商品も多くあります。小型で軽量なため、送料を抑えやすく、課税価格を低く保ちやすいのが特徴です。
ステーショナリー・文房具セット
高級ペンやノート、手帳などをセットにした商品で、仕事や勉強をする方へのプレゼントとして喜ばれます。軽量で送料も抑えやすく、複数の商品を組み合わせても関税リスクが低いのが利点です。
関税を支払う際の流れと注意点
万が一、関税の対象になる荷物を受け取った場合、どのような流れになるのかを理解しておくことも大切です。
荷物が税関に到着すると、内容品の価格が確認されます。課税対象と判断された場合、関税と消費税が計算され、受取人に通知されます。通常、配送業者から連絡があり、受取時に関税と消費税を支払うことになります。
支払い方法は配送業者によって異なりますが、クレジットカードや現金での支払いが一般的です。事前に関税がかかる可能性があることを知っておくと、受け取り時に慌てずに対応できます。
アメリカへの贈り物を送る場合の特別な注意
アメリカへプレゼントを送る場合は、さらに注意が必要です。2025年の関税ルール変更により、これまで免税だった少額貨物にも関税が課されるようになりました。
個人間の贈り物であれば100ドル以下は免税扱いとなりますが、それを超える場合は関税が課されます。また、販売目的の商品については金額に関わらず関税の対象になるため、プレゼントとして送る場合は、商品の説明に「gift」と明記することが重要です。
さらに、日本郵便はアメリカ宛の郵便物の一部について、引き受けを一時停止しています。100ドルを超える個人間の贈答品や販売目的の商品は、郵便での送付ができない可能性があります。代わりに、国際宅配便サービスの利用を検討する必要があります。
スマートなプレゼント選びのまとめ
海外からのプレゼントに関税がかかるかどうかは、商品の種類と価格によって決まります。関税の仕組みを理解した上で、以下のポイントを押さえることで、スムーズにプレゼントを受け取ることができます。
日本への贈り物の場合は、海外小売価格で16,000円程度を目安に、送料を含めた総額が課税価格の計算対象になることを念頭に置きましょう。革製品や靴、ニット製衣類などの例外品目は避け、食品や雑貨、電子機器など、例外品目に該当しない商品を選ぶことが関税リスクを低く保つコツです。
アメリカへの贈り物の場合は、100ドル以下に抑えることで免税扱いを受けられます。商品の説明に「gift」と明記し、販売目的ではなく個人的な贈り物であることを明確にすることが大切です。
複数の商品をまとめて送ってもらう場合は、合計課税価格が課税対象になることに注意し、必要に応じて複数回に分けて送ってもらうことも検討しましょう。
これらのポイントを押さえることで、海外からのプレゼントを安心して受け取ることができます。関税の仕組みを理解することで、より効率的で経済的なプレゼント選びが可能になるのです。
まとめ
海外からの贈り物に関税がかかるかどうかは、2025年の新ルールにより、商品の種類と価格によって決まります。日本への贈り物の場合は課税価格が1万円を超えると関税の対象になり、アメリカへの贈り物の場合は100ドルを超えると関税が課されます。革製品や靴などの例外品目は、低い価格でも課税される可能性があるため、注意が必要です。スマートなプレゼント選びのためには、関税の仕組みを理解し、商品の種類と価格帯を意識することが大切です。
海外からの贈り物で関税がかかる基準と節税のコツをまとめました
関税の仕組みを理解することで、海外からのプレゼントをより効率的に受け取ることができます。商品の種類と価格帯を意識し、複数回に分けて送ってもらうなどの工夫をすることで、関税リスクを低く保つことが可能です。また、アメリカへの贈り物を送る場合は、100ドルの免税枠を活用し、商品の説明に「gift」と明記することで、スムーズな配送を実現できます。海外の家族や友人からのプレゼントは、関税の知識を持つことで、より喜びを大きくすることができるのです。


